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門馬 悠一郎*; 坂入 正敏*; 上野 文義; 大谷 恭平
材料と環境, 71(5), p.133 - 137, 2022/05
薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響を調査した。試料上に1.0-0.2mmの厚さの液膜を形成し、モリブデン酸ナトリウムと乳酸アルミニウム混合液を腐食抑制剤として添加し電気化学測定を実施した結果、腐食抑制剤はアノード反応を抑制すること、および液膜中では完全浸漬に比べて腐食抑制剤による保護層の形態が液量に応じて変化することが示唆された。
青山 高士; 加藤 千明; 佐藤 智徳; 佐野 成人; 山下 直輝; 上野 文義
材料と環境, 71(4), p.110 - 115, 2022/04
溶存Srが炭素鋼およびSUS 316Lステンレス鋼の腐食電位に及ぼす影響を調査した。人工海水中で腐食電位を測定しながら、Sr溶存溶液を人工海水に滴下した。溶液の滴下は2回に分けて行い、滴下した溶液の放射能がそれぞれ0.15MBqおよび1.5MBqとなるように調整した。その結果、Sr溶存溶液の滴下によって、炭素鋼の電位はほとんど変化しないがSUS316Lステンレス鋼の電位は上昇することが分かった。
相馬 康孝; 加藤 千明
第68回材料と環境討論会講演集(CD-ROM), p.205 - 206, 2021/10
金属すき間内に浸入したClイオンの散逸挙動に及ぼす温度の影響を調べた。すき間内部にセンサーを設置し、電気化学測定によって導電率を測定し、そこからCl濃度を考察した。温度50C、および80Cでは共に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)および白金(Pt)すき間内に浸入したClイオンは、外界を浄化した場合、濃度拡散に従い散逸した。一方、SUS304Lステンレス鋼すき間内に浸入したClイオンはPEEKおよびPtより散逸速度が遅いことが分かった。このことから、すき間内におけるSUS304Lのアノード溶解が散逸挙動に影響を及ぼしていると考えられる。そのため、散逸挙動に及ぼす温度の影響を定量的に調べるためには、アノード溶解速度、および局部腐食の有無を考慮した上で濃度拡散と電位差永動をともに考慮した数値計算が有効であると考えられる。
北山 彩水; 谷口 直樹; 木村 航*; 梶山 浩志*
no journal, ,
純銅は、一般的に酸素濃度の低い地下水環境では熱力学的な安定性により、ほとんど腐食が進展しないという特徴を有しており、使用済燃料の直接処分の処分容器として環境条件によっては極めて長い寿命を期待できる材料といえる。しかし、硫化物の濃度条件などの環境条件によっては、純銅は熱力学的安定性を失い、腐食が進展すると考えられる。本研究では、硫化物が純銅の腐食挙動へ与える影響について、硫化水素を含むガスを吹き込んだ試験溶液を用いた電気化学試験により調査した。
大谷 恭平; 上野 文義; 加藤 千明
no journal, ,
本発表では、既存の防錆剤よりも1F環境を想定した環境負荷の小さい腐食抑制剤を開発するため、これまでに腐食抑制剤として着目されていなかった乳酸アルミニウムに着目し、既存の腐食抑制剤であるモリブデン酸ナトリウムと混合することで相乗効果を示すことを明らかにした。XPS分析の結果、炭素鋼表面に数十nmのアルミニウムおよびモリブデンの酸化被膜が形成することで炭素鋼の腐食を抑制していることを見出した。
入澤 恵理子; 山下 直輝; 加藤 千明; 佐野 成人
no journal, ,
原子力発電後の使用済燃料再処理施設では、燃料由来の金属イオンを含む硝酸水溶液によるステンレス鋼製機器の粒界腐食が問題となる。放射性元素であるネプツニウムは腐食への寄与が高いとされるが、取り扱いが難しいために体系的に腐食評価が行われた事例が少ない。そこで、ネプツニウム237を含む硝酸水溶液中のステンレス鋼の腐食速度に与える溶液温度やネプツニウムイオン濃度の影響を浸漬試験や分極測定により評価した。